情熱弁当
情熱弁当は不安だけを売らない
今日は、電子レンジのお話です。
無添加でオーガニックな弁当屋が電子レンジの話をするなんて、少し意外に感じる方もいるかもしれません。
自然食や無添加を大切にしている方の中には、電子レンジを極端に避ける方もいます。
電子レンジは危険。
栄養が壊れる。
電磁波が体に悪い気がする。
そんな話を聞くことも多々あります。
でもボクは、電子レンジを一方的に悪者にするつもりはありません。
もちろん、料理人として言えば、湯煎や鍋でゆっくり温めた方がおいしいケースも多いです。
弁当屋目線なら、食中毒防止の観点から、食材の中心までしっかり温めたい。
加熱ムラが出やすい電子レンジより、焼く、煮る、蒸す、揚げる、炒めるといった調理方法を選択する場面がほとんどです。
煮物、汁物、あんかけ、肉のおかず。
ゆっくり熱が入ることで、味のなじみ方や香りの立ち方が変わるものもあります。
情熱弁当が冷凍惣菜を全国発送している『無添加惣菜通販部』。
冷凍惣菜でも、一番おすすめの温め方は湯煎です。
でも、それだけが正解だとは思っていません。
たとえば、奥さんに先立たれた80代の男性がいたとします。
それまではずっと、奥さんがご飯を作ってくれていた。
でも一人になったら、自分で食事を用意しなければいけない。
その方に鍋に水を入れて、火をつけて、沸騰させて、冷凍惣菜を入れて、時間を見て熱い袋を取り出して、最後に熱湯を捨ててくださいと言う。
それは本当に親切なことでしょうか?
火を消し忘れるかもしれない。
鍋を持った時にふらつくかもしれない。
熱湯をこぼして火傷をするかもしれない。
台所で転んでしまうかもしれない。
そして、もし大きな事故になった時、心配するのは本人だけではありません。離れて暮らすご家族も、ずっと気が気ではないはずです。
そう考えると、電子レンジは単なる調理道具ではありません。
火を使わずに温められる。
時間が来れば止まる。
一人分だけ用意できる。
鍋も熱湯も使わなくていい。
これは、暮らしを支える道具でもあると思うのです。
情熱弁当は、無添加を大切にしています。
素材本来の味を大切にしています。
できるだけ安心できる食材を選び、余計なものを足さずに料理をしています。
でも、だからといって、あれは危険、これは食べるな、これは使うな、という言い方はしたくありません。
強い言葉で不安をあおれば、一部の人には刺さるかもしれません。
でも、それはお客さんの判断力を育てることにはならないと思っています。
ボクが大切にしたいのは、自分で知って、自分で考えて、自分の暮らしに合った選び方をしてもらうことです。
赤ちゃんを子育て中の人。
ひとりで親の介護をしている人。
一人暮らしの高齢の方。
仕事で疲れて帰ってくる人。
体調が悪くて台所に立つのもしんどい人。
食べる人の暮らしは、それぞれ違います。
だから、同じ正しさを全員に押しつけることはできません。
料理を作る側は、手間を惜しまない。
でも、食べる側には、なるべく無理をさせない。
これが、これからの食事にはとても大切だと思っています。
時間があって、火を使うことに不安がなければ、湯煎でゆっくり温めてください。その方がおいしい料理も多々あります。
でも、火を使うのが不安な方や高齢の方など。
火事や怪我のリスク回避のため、火や熱湯を使わず、電子レンジも立派な選択肢だと思います。
大切なのは、電子レンジを使うかどうかではありません。
ちゃんとしたものを無理なく、安全に、食べ続けられること。
食事は、正しさや理論を競うものではありません。
日々の生きる力を支えるものです。
「電子レンジは便利だから使う」考え方の人も
「電子レンジは使いたくない」な考え方の人も。
立場や個々の状況において、どちらも正解なんですよ。
情熱弁当は、不安だけを売りません。
正直に作り、正直に伝える。
最後は、お客さん自身に納得して選んでもらう。
そのための食事を、これからも作っていきたいと思います♪
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