情熱弁当

足さないからこそ、伝わる味がある

自分が若かりし頃。

ホテルオークラ「山里」では、一年生の「洗い場」の人が、親方の昼食を日替わりで作らせてもらっていました。

新入りなので、料理自体がそもそも作れない。笑

毎日が鍋や調理器具の洗い物ばかり。営業中もしゃぶしゃぶやすき焼きの野菜を盛り付けたり、肉をスライスしたりといったことだけでしたからね。

料理人見習いとして、まずは現場にしがみつくことで精一杯でした。

だから、親方の昼食を作る番が回ってくる日は、本当にビクビクしていました。

自分の日常食なら、多少失敗してもいい。

でも、人に食べていただく料理は違います。

美味しいと言っていただく。

喜んでいただく。

そのためには、ただ作れるだけでは足りないんですよね。

そんな頃のボクは、自信がないからこそ、一皿にあれもこれも入れたくなっていました。

これも入れた方が豪華に見えるかな。

これも添えた方が手が込んで見えるかな。

もう少し味を足した方が、満足してもらえるかな。

でも、今ならはっきりわかります。

それをやりすぎると結局、何を食べさせたいのかが伝わらないのです。

料理は、足せば足すほど良くなるわけではありません。

むしろ、引くことで見えてくる美味しさがあります。

情熱弁当が、マルシェや朝市などで販売している「オーガニック惣菜盛り合わせ」

一折に9種類くらいのお惣菜が入っています。

一見すると、品数が多くてにぎやかに見えるかもしれません。

でも、それぞれの料理自体は、実はシンプルなんですよね。

例えば「小松菜としめじのおひたし」。

主役は小松菜としめじ。それで十分です。

その他にえのきやなめこ、舞茸など色々入れると…

でも、食べた人の印象はぼやけます。

何を味わえばいいのか、ピントがずれてしまうのです。

各料理の使用素材は、2~3種類以内にとどめておくのがお惣菜の在り方。

それくらいにしておく方が、食べる人の舌も、頭も疲れません。

「ひと目で見てわかる料理が9種類。それぞれ別の味付けや調理方法で楽しんでいただく」のですね。

ちなみに、あまりにも使用食材が多すぎたり、凝りすぎた料理が一回の食事に並ぶと…

「美味しかったけど、食べたものを具体的に思い出せない」状態になります。シンプルに削ぎ落として、それでも喜んでいただけるものを目指すべきなのです。

情熱弁当の十八番。

胡麻豆腐なんていい例です。

上から山葵醤油なんてかけません。

味気ない見た目ですが、そのままお口に運んでいただければ、お口の中が幸せになります。

なにせ、これだけを目的に県外からいらっしゃる方がいるくらいですから。

足さないからこそ、伝わる味がある。

飾らないからこそ、残る味がある。

ボクは、そういう料理が好きです。

「原田主税の自信の一品を出せ」と言われたら。

ボクは「きんきの煮付け」をお出しするかなぁ。

旬の素材の目利き、調味料のタイミング、煮詰める時間を逆算して、煮汁を豆腐や牛蒡に染み込ませる。魚はふんわりと煮汁でコーティングし、中は真っ白。蒸し上げたように仕上げます。

とてもシンプルなんですけど、魚の脂やコク、骨の旨味が合わさると、別次元の煮魚なんですよね。

その代わり、一皿5000円以上はいただきますが。笑

情熱弁当は、これからも足しすぎない料理を大切にしたいと思っています。
素材本来の味を、ちゃんと感じていただくために。

食べ終わったあとに、ああ、あれ美味しかったなと思い出していただくために♪

シンプルの中にこそ、本当の美味しさはある。
ボクは、そう信じていますよ♪

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はじめまして!

原田主税(はらだちから)

昭和46年、愛知県名古屋市生まれ。私立東邦高校卒業後、日本料理の職人を目指して鞄一つで上京する。

虎ノ門・ホテルオークラ東京「山里」を駆け出しに、三重県涼仙ゴルフ倶楽部ホテルオークラレストラン立ち上げ等を経験。その後赤坂・銀座で料理店・鮨屋で修行。20代はあけてもくれても板前修行の日々で、どっぷりと東京で過ごす。

糖尿病を患う母の体調が悪化、医師から余命を宣告される。
東京で料理長を経験するも、 最期くらいは一緒に住もうと東京生活を中断、名古屋の実家に戻る。

名古屋では飲食店の経営を目指し、料理以外の勉強を開始。当時破竹の勢いだった名古屋市の外食チェーン「旗籠家」にて、接客技術、店舗マネジメント、スタッフ教育、オペレーション構築、新店立ち上げ、販促手法などをみっちりと学ぶ。
入社後1年で店長昇格後、その年にいきなり年間店長MVPに輝く。

ミステリーショッパー(覆面調査員)調査では、常に高得点をたたき出し、高い顧客満足度を維持。第一回居酒屋甲子園出場経験有り。

平社員からエリアマネージャーまで昇格するも、自身の考える飲食店の理想と外食チェーンの在り方のギャップに疑問を感じ、 退職。
2008年3月「玄米と大自然の恵み 情熱弁当」にて起業する。
好きな言葉は、「NO CHALLENGE NO SUCCESS」

店長日記はこちら >>

「イクラってなぜ片仮名なの?」
「チーズ×枝豆、レバー×茗荷、これって相性いい?」
「お弁当に入れてもおいしい天ぷらの揚げ方は?」

などなど、思わず人に自慢したくなる「へぇ~!」な豆知識や、
すぐ実践できる料理のワンポイントアドバイスなど、知って得する情報が満載!

東京・虎ノ門の名門ホテルや銀座の料理店・鮨屋を経て、地元・名古屋へUターン。

2008年3月に国産食材の無添加宅配弁当『玄米と大自然の恵み 情熱弁当』を立ち上げた、情熱イケメン弁当屋・原田主税が熱く語ります!

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