食材のこと
「国産だから安心、は本当か?」
やっと少しだけ、秋を感じる朝晩になってきましたね。
今年は、もう冬が来ない気がしていました。笑
日本で暮らしていると「国産だから安全」という言葉をよく耳にします。
スーパーでも飲食店でも「国産牛」「国産野菜」と書いてあれば、つい安心してしまう。
でも、料理人として現場に立ち続けてきたボクから見ると、その考え方には少し注意が必要ですよ。というのが今日のお話しです。
情熱弁当の店頭にぶら下がる「緑提灯」。
国産食材使用率を、星の数で表示する運動です。
特に弁当・惣菜業界。
主に中国産や出所不明な、安価なだけの食材を大量に仕入れ、食品添加物の力を借り、美味しそうに加工・盛り付けするのかがビジネスの肝。
情熱弁当は、やってることが真逆なんですよ。
国産の強みと安心感
たしかに国産には大きな強みがあります。
生産者が見えやすく、産地や栽培方法の情報が手に入りやすい。輸入品に比べて輸送距離が短いぶん鮮度がよく、流通もしやすい。
さらに残留農薬や添加物についても、日本には厳格な法律や基準があり、多くの品目で詳細な規格が定められています。輸入時・国内流通時ともに検査体制も整っています。
だから「国産=安心感がある」というのは、間違いではありません。
それでも盲信はできない
ただし「国産=絶対に安全」ではありません。
過去には、国産品だからこそ信じていた人々を裏切る事件がありました。
• 2000年の雪印食中毒事件
温度管理の不備で菌が増殖し、1万数千人が体調を崩しました。
• 1955年の森永ヒ素ミルク事件
工業由来の砒素が混入し、多くの乳児が命を落としました。
• 2007年の船場吉兆事件
名門料亭でさえ産地偽装や使い回し、期限改ざんが明るみに出たのです。
さらに残留農薬もゼロではなく、日本で基準を満たしていても海外では「過剰」と見なされる場合もあります。
国産だから安心、とは言い切れない現実があるのです。
応援とリスクの両面を理解する
国産を選ぶことは、日本の農業や漁業を支える大切な応援になります。
ボク自身も、できるだけ地元の農家さんや漁師さんから仕入れるようにしています。それが地域の未来につながると信じているからです。
実際、情熱弁当では国産食材を9割以上にしています。
応援したい気持ちの表れであると同時に、残りの1割では海外の素晴らしい食材も取り入れたい。
「国産か輸入か」で線を引くのではなく、「食材そのものの力をどう生かすか」。それが料理人としての正直な姿勢です。

店主として伝えたいこと
ボクが料理をお出しするとき伝えたいのは「国産だから安心」よりも、
「この生産者はこんな想いで作っている」という背景です。
本当の安全や安心は、国産か輸入かで決まるものではありません。
• 生産の透明性(履歴が追えるか)
• 作り手への信頼(理念が明確か)
• 自分のカラダや思想に合うかどうか
この三つの軸でこそ見極められるものだと考えています。

読者のみなさんへ
国産を選ぶことは、日本の未来を応援する大切な行為です。
けれど、そこで思考停止して「国産だから安全」と信じ込むのではなく、消費者自身が食の知識をつけ、選ぶ力を養うことが欠かせません。
国産を応援する心を持ちながらも、「生産者任せ」ではなく、「消費者と生産者が一緒に未来の食をつくっていく」。
その覚悟が、これからの時代にはもっと必要になるのだと思います。
あなたは、どんな想いで今日の食材を選びますか?
その選択が、あなた自身の未来を、そして日本の食の未来を形づくっていくことをお忘れなく♪
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