2026/07/29
たとえば、お寿司を食べに行こうと思ったとき。
手軽に楽しめる回転寿司もいいですよね。
手頃な価格で、家族や友人とワイワイできる楽しさがある。
でも。
カウンターの向こうで、職人さんが一貫ずつ握ってくれる「昔ながらのお寿司屋さん」も多数存在しています。
そんな世界もあるってことを、どうか忘れないでほしいんです。
寿司職人が一握りのシャリに込める温度やネタ管理への気遣い、
包丁の入れ方ひとつで変わる舌触り。
その繊細な感覚こそが、本物の味を支えています。
弁当業界も同じです。
いかにして安く仕入れ、見た目を整え、手早く大量に並べるか。
そんな「効率の追求」だけでは、
本当にお客さまのためになるとは言えないと思うのです。
中国産の野菜を多く混ぜ、
食品添加物で味や色を整え、
一見きれいに盛り付けられたおかず。
それは確かに商品としては完成されているように見えるでしょう・
でも、その一口が「安心」や「幸福」につながっているかといえば?
ボクは首をかしげたくなります。
いつのまにか、私たちは「本物」よりも
コスパやタイパ、安さばかりを気にするようになりました。
SNSでは派手なメニューや映える料理がもてはやされ、
「話題性」や「限定感」だけが注目される。
気がつけば、「食べる意味」を考えずに、
情報だけを食べているような時代になってしまいました。
どんなに新しく見えても、
どんなに話題を集めても、
その裏に誰の手が動いているのかが見えなければ、
本当の味にはたどり着けないと思うのです。
情熱弁当が大切にしているのは、
「素材本来の味」を引き出すこと。
時代の変化に対応しながらも、日本の食文化を守り続けていくこと。
農家さん、漁師さん、畜産農家さんたちが
命と時間をかけて育てた食材を、
できるだけ素直に、誠実に届けることです。
「おいしい」と言ってもらえるのは嬉しいことです。
でも情熱弁当にとっての本当の喜びは、
「ここの料理なら安心できる」と思ってもらえること。
それは、信頼の積み重ねです。
日々の小さな丁寧さが、
やがて“本物”として伝わっていくのだと信じています。
大量生産の便利さも、もちろん現代の価値。
だけどその一方で、
職人が手づくりで、人生をかけてつくる一食がある。
その存在を、どうか忘れないでください。
本物とは、派手さではなく、静けさの中に宿るもの。
食べたあとに、体がほっとする。
また食べたくなる。
それが、ボクが思う「本物の料理」であり「本物の味」です。
料理人が人生をかけて作る一食を、
ちゃんと味わえる舌を持っていてほしい。
それは、未来の日本の食文化を守る力にもなるはずだから。