弁当屋がブログを書く、たったひとつの理由

2026/07/29

当ブログは、2008年の情熱弁当開業の少し前から書いています。

つまり、もう18年ほど続けていることになります。

>>>初記事はコチラ。

今では当たり前のようにブログを書いていますが、始めた頃は右も左もわかりませんでした。

当時はアメブロ全盛期。

SNSといえば、まだミクシィくらいしかありません。

スマートフォンも一般的ではなく、iPhoneが日本で発売されたのは2008年7月。今とは、まったく違う時代です。

もちろん、ボク自身もブログを書くのは初めてでした。

不特定多数の人に読んでもらうために文章を書くなんて、それまで考えたこともありません。

それでも、書き始めました。

なぜなら、開業当時の情熱弁当を知っている人は、ほとんどいなかったからです。

お客さまがいない。

知名度もない。

常連さんもいない。

何もないところからのスタートでした。

やったことがないから書かなかったのではありません。

やったことがないからこそ、やるしかなかったのです。

「では、なぜ弁当屋がブログを書くのか。」

理由は、料理の作り手が、自分の言葉で伝える必要があると思ったからです。

誰かに文章を書いてもらうのではダメでした。

上手な言葉でなくてもいい。

きれいに飾らなくてもいい。

店主自身が、自分の考えを、自分の言葉で伝えることに意味がある。

そう思ったのです。

開業当初は、とにかく忙しい。

料理を作り、仕入れをして、配達をして、片付けをする。

従業員もいないので、何もかも自分でやらなければなりません。

ブログを書く時間なんてない。

そう思うこともありました。

でも、それは全部、自分への言い訳です。

誰にも知られていない店が、自分から何も発信しなければ、見つけてもらえるはずがありません。

知られていないということは、存在していないのと同じです。

どれだけ良い料理を作っていても。

どれだけ真面目に商売をしていても。

そのことがお客さまに伝わらなければ、何も始まりません。

写真や動画の力は、昔よりもずっと大きくなりました。

けれど、最後に人の心を動かすのは、やはり言葉だと思っています。

人間にとって言葉は、パソコンでいえばOSのようなものです。

言葉があるから、考えることができる。

記憶することができる。

自分の気持ちを表現できる。

人と意見を交わし、何かを伝えることができる。

言葉で伝えるという行為は、とても原始的です。

でも同時に、人間にとって最も大切なことのひとつでもあります。

そして、発信は誰かに聞かれてから始めるものではありません。

誰かが質問してくれるまで待っていては遅い。

そもそも、知られていない店には質問すら来ません。

だから、自分から伝える。

自分の言葉で、自分らしく伝える。

そのための手段が、ボクにとってはブログだったのです。

ブログを書くことは、お客さまに伝えるためだけではありません。

自分自身の頭の中を整理することにもなります。

文章にすると、ぼんやりしていた考えが目に見える形になります。

すると、自分が何を大切にしているのか。

なぜ、その仕事をしているのか。

何を守り、何を変えていくべきなのか。

少し離れた場所から、自分の商売を見つめ直すことができます。

どうして情熱弁当を始めたのか。

どうして国産食材を9割以上使うのか。

どうして野菜や肉の育てられ方まで気にするのか。

どうして化学合成添加物を使わないのか。

そうしたことを、少しずつ書いてきました。

一度に全部を理解してもらおうとは思っていません。

一記事ずつ、一歩ずつ。

店主であるボクの考えや人柄を知ってもらえたら、それで十分です。

弁当屋がブログを書く、たったひとつの理由。

それは、自分の言葉で、お客さまとの信頼を積み重ねるためです。

このブログが、情熱弁当とお客さまをつなぐ、小さな接点であり続けたら嬉しく思います♪